北條不可思・愚螺牛雑記 2018~心に慈慧の響きと平安を~

"Song & BowzuMan since 1981”& ENBAN “縁絆” concert endlesstour since 1996

九坊院 院家便り【From kuboin2012】 /2012年(平成24年) 薫風の候

 

九坊院 院家便り【From kuboin2012】

謹みて

 有縁門信徒のみなさまにおかれましては、『よろこびも悲しみも阿弥陀様の願いのなか』とのお味わいとともにお過しのことと拝察申し上げます。久しぶりの便りです。

 愚生は、一昨年の大病から少しずつ回復を感じております。しかし、昨年夏に、息子・慈音か食事を詰まらせ救急搬送されました。1時間以上の心肺停止の状態ではありましたが、北里大学病院の救命救急のおかげで一命を取り留めました。2か月の入院後、10年以上診ていただいている療育センタ―(東京・板橋)へ母子ともに転院し、在宅医療の指導を受け、どうにか寺に戻りました。現在は自宅にて、医師、看護師、マッサージ師、薬剤師、歯科医師他、さまざまな方々に、さまざまなサポートを頂きながら、日々上がったり下がったりしながら在宅療養生活をいたしております。

 近年、国の内外で苦悩することが多く、悩みは尽きぬことです。お釈迦様の「人生は苦なり」という教えが身に沁みて参ります。

 1995年(平成7年)の阪神大震災での教訓も吹き飛ばすような東北の大震災と原発の放射能の大問題。広島で生まれた者としては、腹の底から当時の菅直人内閣の対応に憤りを禁じ得ませんでした。余計なお世話ですが、折に触れて、一度ならず、可能な限り、東北の産物を買いましょう。  愚生が、《ピカドン》=原爆の被爆で人間の尊厳を踏みにじられた方々がおられる事実を知ったのは、小学校低学年の頃です。それほどまでに、広島では原爆教育に熱心に取り組んでいます。それでも、小脳梗塞で倒れる前に故郷へ音楽法話で参りました時、中国新聞の論説委員の旧友に会えるご縁があり、「今も原爆差別はなくなってませんよ」と悲しみと憤りのまじる瞳で話して下さいました。表面的には解決に向かっているようですが、苦悩は複雑になるばかりです。

 宗祖・親鸞聖人の在世のころも、大混乱大混迷の災害と戦乱の世でした。しかし、目に映るすべてが、辛く悲しく虚しいものばかりである人間の苦悩は、原子力やインターネットの現代と親鸞聖人の時代と何一つ変わりません。

 さて、有縁の皆さまのなかにもいらっしゃることと存じますが、愚生も息子・慈音も《九死に一生を得る》経験を致しました。折々にご心配を頂き深謝申し上げるばかりです。

 だが、つくづく思います。【命とは、人の思いに応じて扱えるものではないのだ】と。

 その深い味わいは、寝返りまでも抑制するよう求められたICUのベッドの上で訪れ、今なお我が身にはたらいて、この便りを綴る原動力でもあります。

 思い返せば、前住職、前坊守の最後の入院の時、特に前住職の時に強く、心に刻まれたことのように思います。ガンの病も末期になり、打つ手も尽きた頃に、前住職より、愚生より、もっともっと若く健康な方が亡くなり葬儀を勤めるご縁がありました。その一部始終を前住職に枕元で話しました。前住職は、「人の受けた寿命は、いつ、どこで、どんなかたちで終わるかわかりませんなー・・・ナマンダブ」と呻くように語りました。 皆さんご存知のとおり、お釈迦様の直接の死因は食中毒と伝えられてます。現代でも、人は長寿という程にご健勝でおられたある日、毒キノコで命を落としたそうです。      

 間違いなく命が尽きたのに、今もなお、お釈迦様の教えは私たちに届き、はらいてくださっています。それは何故でしょう?  それは、私たちが尽きる命と尽きぬ命を恵まれているからです。身と心に命があるからです。命とははたらきそのものです。なかでも、人の心の命は、我(ワレ)と思うはたらきです。我(ワレ)と思う自覚が愚生を愚生たらしめます。だからこそ、いかに他者から影響を受けようとも、自分ではない誰かになることはできません。だからこそ、愚生は、すさまじく影響を受けましたが、ボブ・ディランやジョン・レノンには成れないのです。 仏に成る。つまり、成仏が、いかに不可思議なはたらきによるものでしょう。仏とは我(ワレ)という思いの無い無我(ムガ)のはたらき()と成ることです。我を我たらしめている我の思いの根本が無いのですから。                 

 浄土真宗の「おかげさまでありがとう」とは、阿弥陀=不可思議=光寿無量の智慧と慈悲の命のはたらきに遇うことです。仏に成る因も縁もなかった、こだわり迷う我(ワレ)が、仏に成る修学、修行も要せずに、往生浄土=成仏の道中を歩かせて頂いているのです。その阿弥陀如来さまの救いに気づくことさえも、我に凝り固まっていては気づけません。

 諸仏のおひとりであり、お釈迦様がお勧めくださる阿弥陀如来様の願いの力=本願他力にお任せする、まさに『真実信心』を賜ってこそ、与えられた今日の一日、まだ尽きぬこの一息を、「喜びも悲しみも阿弥陀様の慈悲の中」と受け止めて、成仏の道中をまさに歩かせて頂いているという自覚を恵まれるのです。  知識や経験は世間では大事なことです。けれども、こと浄土真宗の成仏には、かえって邪魔です。「信じることを本願の船に乗る」とも表現されます。船に乗れば、歩けるものも、寝たきりであろうとも、船が彼岸へと運んでくださいます。信じれば、この世で不治の病が治るとか、100歳を越えても若者と同じになれることとは違います。挙句の果ては、信じれば不老不死の御利益があるなどと、弱い人間の心に魔が誘ってきます。苦痛や困難を解決したいが故に《魔》を信じ、我にとって都合の良い結果、御利益(人間の我欲:浄土真宗の利益とはちがいます。)を望んでしまいます。しかし、どうにもならない。「どんなに医学・科学が進歩しても人間が、150歳を越えて、生き活動すること(生活)は難しいと思う」と、医学者の友人が申します。医学や科学で駄目なら、神・仏に祈願してしまう。でも「ダメ」です。作家の大江健三郎氏のご子息で音楽家の大江光氏が30歳の頃、原爆資料館(正式名称広島平和記念資料館)を見学し終わった時にひとこと「ダメです」と語られました。NHK制作のドキュメンタリー番組で拝見しました。真の救済とは、真のしあわせとは、いったい何でしょうか?  縁によってはどんな人生になっても想定外ではありません。仏教は絶対論理ともいわれます。生まれた者は必ず死に帰す。形あるものは必ず崩れ去る。諸行無常と自覚することです。お手上げの愚生に「まかせよ必ずすくう」との呼び声が聞こえます。いつか乗る船が「南無阿弥陀佛」です。そこに理屈はありません。ただ、「ハイ」と思うこと、それが船に乗ることです。「弥陀の本願を信じ、仏と成る」浄土真宗の念仏は、だからこそ、報謝の念佛です。・・・あれこれと雑々の日々ですが、歩けるところまで歩いて行きましょう。

「喜びも悲しみも、阿弥陀如来の慈悲の中。おかげさまでありがとう」です。

 久しぶりの便りでした。またのご縁で綴らせて頂きます。ごきげんよう。

                     NAMOAMIDABUTSU

                 

                 當麻九坊院 眞信山蓮向寺 

                    住職 北條不可思(釋難思)

                      2012(平成24) 薫風の候


  1. 2011/12/30(金) 20:56:46|
  2. 未分類

プロフィール

Song&BowzuMan

Author:Song&BowzuMan
“Song & BowzuMan”
 since 1981


ENBAN&YAHIJIRI 
concert endlesstour
 since 1996
 

CANO BAND
 since 2006


*

北條不可思【愚螺牛・華思依】
ほうじょうふかし
【ぐらぎゅう・かしい】
法名/釋難思(しゃくなんし)

広島県出身
1961年10月14日生まれ


浄土真宗本願寺派・僧侶
シンガー・ソングライター
1981年
浄土真宗本願寺派
(本山・西本願寺)
http://www.hongwanji.or.jp/
得度
(法名・釋難思/シャク ナンシ)

浄土真宗本願寺派
東京首都圏都市
開教専従員(1986~2005)
(築地本願寺内)
http://tsukijihongwanji.jp/

浄土真宗本願寺派・
眞信山蓮向寺住職(1991~)
http://renkoji.org/

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FUKASHI guragyu HOJO
Shaku Nanshi(Priest Name)

*

【Born】
October 14, 1961
(1961-10-14)
Hiroshima, JAPAN.
【Years active】
1981-modern times

Message Performing Artist
Song&BowzuMan
singer-song writer
(A priest and a musician)  
Priest(Shin-Buddhism,
Pure Land Buddhism)
JODO SHINSHU
HONGWANJI-HA
SHINRAN-SHONIN's750th MEMORIAL(2012)

★ Profile:プロフィール 詳細★

http://fukashi.blog50.fc2.com/
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